
ドバイを拠点とするエミレーツ航空が、AI(人工知能)やリアルタイムデータを活用した先進的な取り組みを発表しました。
2025年10月29日(現地時間)に公開された公式発表によると、過去1年間で予期せぬ深刻な乱気流遭遇を大幅に減らし、乗客の安全と快適さを高めているそうです。
なぜ乱気流が問題になるの? 背景を簡単に
乱気流とは、飛行機が空気中の乱れにぶつかって揺れる現象で、雲が見えない「クリアエアタービュランス(CAT)」が特に予測しにくく危険です。気象庁や航空業界のデータによると、気候変動でこうした乱気流が増加しており、怪我のリスクも高まっています。
エミレーツ航空のフライトオペレーション部門上級副社長、キャプテン・ハッサン・アルハマディ氏は、「乱気流を完全にゼロにすることはできませんが、AIやパートナーとの協力で最小限に抑えています」と語っています。 実際、乗客の多くが揺れを不安に感じる中、エミレーツは「データ駆動型」の多層戦略で対応。従来の天気予報だけではカバーしきれない部分を、最新技術で補っています。
3つのキー技術でグローバルカバレッジを実現
エミレーツのシステムは、3つのツールを組み合わせた「補完型」アプローチが特徴。世界中の飛行機から集めたデータをAIで分析し、パイロットにリアルタイムで情報を届けます。以下に、各技術を簡単に説明します。

SkyPath:AIで「見えない乱気流」を予測
昨年から提携したSkyPathは、AIと機械学習を駆使した天気予測プラットフォーム。数千機の飛行機からのリアルタイム報告を統合し、従来の方法では見逃す「クリアエア」乱気流も検知します。
- データソース:乱気流の強さを測る「EDR(Eddy Dissipation Rate)」データ、航空機の位置情報(ADSB)、そしてiPadの加速度センサー(振動を乱気流データに変換)。
- 利点:飛行機の少ない地域でも予測可能で、グローバルなカバレッジを確保。ネットニュースでも、「AIがパターンを学習して精度を向上させている」と評価されています。
Lido mPilot(ルフトハンザ・システムズ提供):高精度天気アプリ
エミレーツの長年のパートナー、ルフトハンザ・システムズのモバイルアプリ。ドイツ気象局などのデータを基に、雲の動き、対流(上昇気流)、氷結、乱気流をリアルタイムで予測します。
- 使い方:パイロットの電子飛行バッグ(タブレット)に表示され、飛行経路の調整をサポート。
- 利点:エミレーツ独自のカスタマイズで、運航要件にぴったり。Simple Flyingの記事では、「パイロットの状況認識を劇的に向上させる」と報じられています。
IATA Turbulence Aware:業界全体のデータ共有
国際航空運送協会(IATA)のプログラムで、昨年加入。エミレーツの広大なネットワーク(中東・アフリカ・アジア・オーストラリア)から集めたデータを、世界中の航空会社と共有します。
- 仕組み:参加航空会社の報告を集約したグローバルマップを作成。エミレーツのパイロットは、これをアプリで視覚化して乱気流エリアを回避。
- 利点:単独では得られない「全体像」を提供し、燃料効率も向上。Times of Indiaの報道では、「乗客の快適さと安全を両立」と好評です。
これらのツールを組み合わせることで、エミレーツは「多源データ」の強みを活かし、予測精度を業界トップレベルに引き上げています。
実際の効果は? 過去1年で「大幅減少」
公式発表によると、昨年開始のイニシアチブで、ネットワーク全体の予期せぬ深刻乱気流遭遇が「有意に減少」しました。具体的な数字は非公開ですが、Zawyaニュースでは「乗客と乗務員のオンボード体験が向上」との声が紹介されています。
また、燃料節約や効率化の副次的効果もあり、環境負荷低減にも寄与。キャプテン・アルハマディ氏は、「これらのシステムの潜在力をすでに実感しています。業界全体にデータを還元し、共同で課題解決を進めます」と強調します。
将来の展望:揺れ知らずの空の旅へ
エミレーツはまだ「初期段階」と謙虚ですが、AIの進化でさらに精度が上がる見込み。気候変動が進む中、こうした取り組みは航空業界のスタンダードになるかもしれません。日本からもドバイ経由の便が多いエミレーツユーザーにとって、心強いニュースであることは間違いありません。
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