
2025年10月20日 香港発 共同通信
香港国際空港で20日未朝、ドバイ発のエミレーツ・スカイカーゴの貨物機が着陸時に滑走路から逸脱し、海に滑り落ちる事故が発生した。機体が衝突した地上のサービス車両にいた空港スタッフ2人が死亡した。一方、機体の乗員4人は全員無事で救助された。香港の航空当局は事故原因の調査を開始し、北側の滑走路は一時閉鎖されたが、他のフライトへの影響は最小限に抑えられている。
事故の経緯:悪天候が原因か、機体の一部が海に沈む
事故は香港時間20日午前3時50分頃(日本時間同日午前5時50分頃)、香港国際空港の北滑走路(07L)で起きた。機体はトルコの貨物航空会社ACT Airlinesが運航するボーイング747型貨物機(登録番号:TC-ACF)で、エミレーツ航空の子会社エミレーツ・スカイカーゴの便(EK9788)としてドバイから香港に向かっていた。 この機体は1993年製の32年落ちで、元々は日本の全日本空輸(ANA)の旅客機(JA8962)だったものが貨物機に改造されたものだ。
着陸直後、機体は滑走路を外れ、海側の防波堤付近に突っ込んだ。現場の写真や動画では、機体の尾翼部分が分離し、胴体が海に半分沈んだ様子が確認されている。脱出用スライドが展開され、乗員は海に飛び降りて救助された。 機内には貨物が積載されておらず、乗員以外に人的被害はなかった。
香港の民間航空局(CAD)は声明で、「着陸後に機体が滑走路から逸脱し、海に墜落した」と発表。地上スタッフ2人が海に落ち、死亡したとみられる。死因は機体が衝突した空港のセキュリティ車両やサービス車両に乗っていたためで、警察の初期報告では1人が即死、もう1人が負傷後に死亡した可能性が高い。 乗員の安全は確認されており、病院で検査を受けた。
背景:老朽機体と天候の影響?
このボーイング747は、ACT Airlinesがエミレーツに「ウェットリース」(機体・乗員・整備・保険をすべて提供)で提供していたもの。エミレーツは「乗員の安全は確保され、貨物は積んでいなかった」とコメントし、事故を遺憾に思っていると述べた。 ACT Airlinesは主要航空会社向けの追加貨物輸送を専門とするトルコ企業だが、事故直後すぐのコメントは出ていない。
事故現場は香港国際空港の海側に位置し、悪天候が影響した可能性が指摘されている。着陸直前に乗員が「ゴーアラウンド」(着陸やり直し)を要請したとの情報もあり、強い風や雨による滑走路の水膜現象(ハイドロプレーニング)が原因の一つとみられる。 飛行追跡サービスFlightRadar24によると、フライト時間は約7時間で、異常は着陸時のみ発生した。
調査と空港への影響:フライトは正常運航
香港の航空事故調査局(AAIA)が主導し、CAD、エミレーツ、ACT Airlines、ボーイングが協力して原因究明に当たる。フライトデータレコーダー(ブラックボックス)は回収済みで、詳細分析が進められる。 香港国際空港の運営会社は「他の滑走路は稼働中で、20日のフライトスケジュールに影響はない」と発表。空港は世界有数の貨物ハブで、こうした事故は1994年の滑走路衝突事故以来の深刻な事例だ。
この事故は、航空業界の安全基準を再確認させるものだ。香港当局は地上スタッフの安全対策強化を検討する方針を示している。最新情報は香港民間航空局の公式サイトで確認を。
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