金価格の最新動向

2025年10月13日朝、ドバイの金市場で金価格が年初来最高水準に達しました。
ドバイ・ジュエリー・グループ（Dubai Jewellery Group）の発表によると、取引開始時点での小売価格は以下の通りです。

（出典：Gulf News「UAE Gold Rates」、2025年10月13日午前時点）

22K金は純度約91.7％で、ジュエリー用途として最も人気のある規格です。
1ディルハム＝約41円の為替レートで換算すると、22K金は1グラムあたり約18,500円。
10グラムのネックレスなら18万円を超える計算となり、一般消費者にとっては高値圏といえます。

世界市場でも金が史上最高水準に

同日、国際的なスポット金価格（現物取引の基準価格）は1オンスあたり約4,066〜4,078米ドルと、過去最高圏で推移しています。
（参考：Reuters, Trading Economics 2025年10月13日報道）

円換算では、1ドル＝151円として約61万5,000円／オンス。
年初比でおよそ45〜50％の上昇を示しており、世界的な金高騰が続いています。

高騰の背景：安全資産としての需要増加

金は不安定な市場局面で買われやすい「安全資産」として知られています。
今回の上昇も、複数の要因が重なった結果とみられます。

• 米中間の貿易摩擦再燃
• 米連邦政府の予算協議難航による「政府閉鎖」懸念
• 欧州政治不安（特にフランス・ドイツの政情変化）
• FRB（米連邦準備制度理事会）の利下げ観測

FxProのチーフ市場アナリスト、アレックス・クプツィケビッチ氏は次のように述べています。

「金は政府や通貨政策に左右されにくい。政治的・経済的な混乱が続く限り、安全資産としての需要は強まるだろう。」

ドバイの宝飾業界の対応

価格高騰を受け、ドバイの一部ジュエリーショップでは販売が鈍化傾向にあります。
業界関係者によると、消費者の購入意欲を維持するために14K（純度約58.3％）など比較的安価なラインの導入が検討されているとのことです。

ドバイは免税制度により、旅行者が比較的安く金製品を購入できる「金の街」として知られていますが、現在の価格水準では「見るだけ」という観光客も増えているようです。

日本人投資家への示唆

日本国内でも、金ETFや純金積立などの投資需要が拡大しています。
ドバイの金価格は国際相場と連動しているため、日本国内の金価格も高止まり傾向にあります。

短期的な調整（下落）リスクはあるものの、地政学リスクや通貨不安が続く限り、「金高」は中期的に続くとの見方が有力です。
購入や投資を検討する際は、為替レートと信頼性の高い業者の確認が重要です。

まとめ

• ドバイ22K金は Dh 452.75／g（約18,500円） と年初来高値圏
• 世界のスポット金価格も $4,070前後／oz で史上最高圏
• 背景にあるのは、地政学リスクと金融政策への警戒感
• 宝飾業界は低純度ジュエリー導入などで消費者対応を模索

ドバイを訪れる際は、Dubai Jewellery Group の最新金相場（公式サイトや金スーク掲示）をチェックしてから買い物をするのがおすすめです。