
💼 新制度「フリーゾーン本土事業許可(Free Zone Mainland Operating Permit)」とは?
2025年10月8日、ドバイ経済・観光局(DET)傘下のドバイ事業登録・ライセンス公社(DBLC)とドバイフリーゾーン評議会は、新たな制度「フリーゾーン本土事業許可(Free Zone Mainland Operating Permit)」を導入しました。
この許可によって、フリーゾーン企業(自由貿易区の企業)もドバイ本土(Mainland)で直接ビジネス活動を行えるようになります。
これは、ドバイの経済成長戦略「D33アジェンダ」(2033年までに経済規模を倍増)に沿った、国際ビジネス拠点としての地位強化策の一環です。
🧭 これまでのルール:フリーゾーンと本土は“別の国”のような扱い
| 項目 | フリーゾーン | 本土(Mainland) |
|---|---|---|
| 所有形態 | 外資100%可能 | 一部業種で現地パートナー(UAE国籍者)必要 |
| 主な活動範囲 | 国際取引・輸出入・域外取引 | UAE国内市場・政府契約 |
| 税制 | 法人税免除(特定条件下) | 9%法人税適用 |
| 設立の自由度 | 高い | 規制あり・手続き多い |
多くの日本企業は「進出しやすい」フリーゾーンを選びましたが、フリーゾーン企業は本土企業に直接販売・契約できないという制約がありました。
例えば、本土顧客への営業や政府入札に参加する場合は、本土企業との代理店契約や別法人設立が必要でした。
🔍 これまでも一部では可能だった?
― 限定的だった「本土アクセス」の実態
実は、ドバイの一部フリーゾーン(例:DMCC、DIFCなど)では、条件付きで本土活動を認める特例的な仕組みが存在していました。
ただし、それは以下のような“複雑な抜け道”に過ぎませんでした。
- 支店(branch)を本土に設立する必要があった
- 本土ライセンスを別途取得する必要があった
- デュアルライセンス(dual licence)と呼ばれる二重許可制を利用するケースも
こうした方法はコストが高く、手続きも煩雑で、多くの中小企業やスタートアップには現実的ではありませんでした。
そのため、ドバイ政府は「フリーゾーン企業が簡単に本土市場へアクセスできる制度」を求める声を受けて、今回の新許可を創設しました。
🧾 新制度「フリーゾーン本土事業許可」で何が変わる?
この新制度により、フリーゾーン企業は本土法人を設立せずに、直接本土市場で事業を行えるようになります。
主な概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象企業 | ドバイ統一ライセンス(DUL)を持つフリーゾーン企業(約1万社) |
| 対象業種 | 初期段階はIT、コンサル、デザイン、貿易など「非規制分野」限定 |
| 申請方法 | オンラインで完結(Invest in Dubai) |
| 有効期間 | 6か月(更新可能) |
| 費用 | AED5,000(約20万円)/更新も同額 |
| 税制 | 本土収益:法人税9%/フリーゾーン収益:免税維持 |
| 人材運用 | 既存のスタッフをそのまま本土事業に活用可能 |
これまでのように別法人を設立したり、スポンサー契約を結ぶ必要はありません。
オンラインで申請 → 許可取得 → 本土取引開始というシンプルな流れです。
⚖️ 新旧制度の比較:何が「本当に」変わったのか
| 項目 | 以前 | 新制度 |
|---|---|---|
| 法的根拠 | フリーゾーン・本土の別々の許可に依存 | ドバイ執行評議会決定第11号(2025年)で制度化 |
| 本土活動の範囲 | 支店や代理店経由に限定 | 自社名義で直接取引・営業可能 |
| 申請負担 | 両当局に別々の申請 | オンラインでワンストップ |
| コスト | 法人設立・保証金・オフィス契約など多額 | AED5,000で半年運用可能 |
| 雇用・人材 | 本土ビザ手続きが必要 | 既存スタッフを活用OK |
💬 政府関係者の声
アフマド・ハリファ・アルカイジ・アルファラシ氏(DBLC CEO)
「本許可はドバイの先見的なリーダーシップの証です。フリーゾーンと本土の連携を強化し、投資家がより自由に成長できる環境を提供します。」
ジュマ・アル・マトルーシ博士(ドバイフリーゾーン評議会副事務局長)
「フリーゾーンの柔軟性と本土市場の可能性を融合させる戦略的ステップです。世界クラスのビジネスエコシステムをさらに強化します。」
🇯🇵 日本企業へのメリット
ドバイは中東・アフリカ市場の「玄関口」として多くの日本企業が進出しており、既に数百社がフリーゾーンに拠点を構えています。
この新制度により、以下のようなチャンスが広がります。
- 本土の顧客・サプライチェーンへの直接参入
- 政府系プロジェクトやインフラ事業への入札参加
- 追加法人設立不要・低コストで試験参入
- スタートアップやベンチャーにも手が届く制度
つまり、これまで「本土進出=高コスト・高リスク」だった構図が崩れ、
ワンクリックで中東市場へ本格的に乗り出せる時代が始まったのです。
🌍 今後の展望
- まずは「非規制業種」から運用を開始し、金融・医療など規制分野へ拡大予定。
- 政府は初年度でフリーゾーンと本土の取引が15〜20%増加すると予測。
- ドバイのビジネス環境は、透明性・効率性・競争力の面でさらに国際標準化へ進みます。
🧾 まとめ
これまで:フリーゾーン企業は本土で自由に営業できなかった
これから:ワンストップ許可で本土市場へ直接参入可能に
低コスト・オンライン完結の「フリーゾーン本土事業許可」は、
ドバイの“二重構造”を解消し、世界の投資家に新たなビジネスチャンスを開く制度です。
日本企業にとっても、中東ビジネスの次の一手として見逃せない動きとなるでしょう。
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