
UAEはカタールを支持し攻撃を非難
イスラエルが9月9日、カタールの首都ドーハでパレスチナ武装組織ハマス幹部を狙った空爆を実施し、複数の爆発が発生しました。この攻撃によりカタールの内務治安部隊の隊員1名が犠牲となり、他にも負傷者が出ています。UAE(アラブ首長国連邦)はこの「卑劣な」イスラエルの攻撃を強く非難し、カタールに対する全面的な連帯を表明しました。
UAEのムハンマド大統領(シェイク・モハメド・ビン・ザイード)は事件後、カタールのタミム首長に電話し、UAEとしてカタールへの支持と哀悼の意を伝えています。大統領はこの攻撃を「露骨な攻撃」と非難し、「兄弟国カタールの主権を侵害し、すべての国際法と規範に反するもので、地域の安全と安定を損なう行為だ」と強調しました。
UAE外務省はまた、今回の攻撃で殉職した治安要員の遺族に哀悼の意を表するとともに、負傷した関係者の速やかな回復を祈念しました。
カタール、ドーハのイスラエルによる攻撃を受けたとされるエリア。(カタールのルサイル高速道路のアーチ型の記念碑[Arch of Qatar]の北西)近くにはインドネシア大使館なども見られます。
BIG BREAKING: 🚨🚨 Israel BOMBS Qatar
— ADAM (@AdameMedia) September 9, 2025
Israel has just bombed in Doha, the capital of Qatar
At least 10 explosions are reported in Doha as a result of Israeli strikes.
lsraeI is not compatible with peace.
Source: Barak Ravid (in comments)
pic.twitter.com/mzpcRTJB5u
🔴Israel ha bombardeado por primera vez Qatar. Un ataque dirigido contra los negociadores de Hamás, reunidos en Doha para discutir una tregua propuesta por EE. UU.
— Almudena Ariza (@almuariza) September 9, 2025
➡️En el ataque ha muerto -al menos- el hijo de uno de los negociadores y dos miembros de la seguridad catarí.
➡️La… pic.twitter.com/0xAmqHJnay
地域諸国・国際社会からも非難続出
イスラエルによるドーハ攻撃に対しては、カタール周辺の国々や国際社会からも強い非難が相次いでいます。
隣国サウジアラビアはカタールとの「全面的な連帯」を表明し、この攻撃を「最も強い言葉で非難する。残忍なイスラエルの侵略であり、姉妹国カタールの主権に対する露骨な侵害だ」と断じました。サウジのムハンマド皇太子(首相)はカタールのタミム首長に直接電話し、今回の攻撃を「犯罪的行為であり国際法に対する明白な違反だ」と非難するとともに、ドーハへのあらゆる支援を約束しています。
ヨルダンのアイマン・サファディ外相もこの攻撃を「臆病なイスラエルの侵略」だと強く非難し、「国際法の明白な違反であり、姉妹国カタール国民と在留住民の安全に対する深刻な脅威で、地域の安全と安定を脅かすものだ」と述べました。サファディ外相はSNS上で、侵略に直面して自国の安全・主権を守るためにカタールが取るいかなる措置も「絶対的な連帯」で支持すると表明しています。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長も今回の攻撃を「カタールの主権と領土的一体性に対する露骨な侵害」だと非難しています。グテーレス事務総長は、仲介国カタールがガザでの停戦や人質解放に向け非常に前向きな役割を果たしてきた中で起きた今回の事態に深い懸念を示し、当事者らは和平の機会を破壊するのではなく恒久的停戦の実現に向け行動すべきだと訴えました。
クウェート政府も外務省を通じ「不当なイスラエル軍によるカタールへの残虐な侵略」を強く非難する声明を発表し、国連安保理に対して国際平和と安全を守る責務を果たし、この地域で続くイスラエルの侵略行為を止めるための措置を取るよう重ねて求めました。
イラク外務省も今回の攻撃を「卑劣な行為」と呼び、カタールの主権・領土保全に対する露骨な侵害で同国の安全と安定への脅威だと強く非難しています。イラクは兄弟国カタールがいかなる侵略にも対処できるよう「全面的な支持」を表明しました。
トルコ外務省は、ハマスとイスラエルの停戦協議が続く中で起きた今回の攻撃は「イスラエルが和平ではなく戦争継続を望んでいることを示している」と指摘し、イスラエルを強く非難しました。声明では「停戦交渉が続行中にもかかわらずハマス交渉団を標的にしたことは、イスラエルが平和を目指すのではなく戦争を継続することを目的としている何よりの証拠だ」と非難し、イスラエルが地域で拡張主義的な政策と国家としてのテロ行為を行っていると糾弾しています。
イラン外務省もイスラエルの行為を「すべての国際的規則の甚だしい違反であり、カタールの国家主権と領土保全への侵害だ」と強く批判しました。ハマスと共闘するパレスチナ武装組織「イスラム聖戦(PIJ)」も「すべての人間の基準と価値観、そして最も基本的な国際法と規範をも踏みにじる明白な犯罪行為だ」と今回の攻撃を糾弾しています。
カタール政府も直ちにイスラエルを非難しました。マージド・アル=アンサリ外務省報道官は「卑劣なイスラエルの攻撃は複数のハマス政治局員が滞在していた居住ビルを狙ったものだ」と述べ、ドーハはこの「ならず者的なイスラエルの所業」を断じて容認しないと強調しています。
ハマスも一連の空爆を受け、「停戦交渉団を狙ったイスラエルの厚顔無恥な犯行であり、和平実現の妨害を意図したものだ」と非難しましたハマスによれば、この攻撃で幹部5名(亡命中の幹部ハリル・アルハイヤの息子を含む)が死亡しましたが、停戦交渉を担うトップ指導部は無事で、イスラエルの暗殺企図は失敗に終わったといいます。
ドーハ攻撃の背景と影響
今回イスラエルがカタール領内で初めて軍事攻撃を実行したことで、ガザ紛争の火種が湾岸地域にまで拡大した形です。ドーハでは複数の爆発が発生し、市内の住宅街で黒煙が立ち上る様子が目撃されました。
標的となったハマス幹部らはガザの戦闘停止(停戦)に向けた米国の最新提案を協議するためドーハ市内の施設に集まっていたとされ、現場付近の建物はカタール当局によって24時間体制で警護されていた地域でした。
イスラエル側はこの空爆について事前にアメリカ政府には十分通知していなかったとされ、トランプ米大統領も「まったく喜べない状況だ」と懸念を示しています。
国際社会では今回のイスラエル軍の越境攻撃が地域の緊張をさらに高め停戦交渉を頓挫させかねない暴挙だとの懸念が広がっています。アメリカの同盟国であり地域仲介役のカタールでの空爆に、欧州連合(EU)も「国際法の重大な侵害だ」と非難しました。
和平実現への努力に水を差す形となったイスラエルのドーハ攻撃に対し、UAEを含む中東諸国は改めて国際社会に対し強い対応を求めています。
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