Joby Aviationとは
Joby Aviation(ジョビー・アビエーション)は、カリフォルニアを拠点とする輸送会社で、「エアタクシー」または「空飛ぶクルマ」ともよばれる、全電動垂直離着陸(eVTOL)航空機の開発企業で、トヨタをはじめ世界有数の投資会社や米軍などから出資を受けています。
ジョビーの電動エアタクシーは、1回の充電でパイロットと4人の乗客を最大時速約320km/hの速度で運び、最大航続距離は約240㎞超となっています。
ヘリコプターと何が違うの?
ヘリは燃料を使ってエンジンを動かしますが、eVTOLはバッテリーで、電気の力で動きます。
電気なので排気ガスもなくクリーン、プロペラ騒音もヘリコプターより抑えられています。
ジョビーの機体に関しては、離着陸時の騒音が65dBAで、走行中の車と同程度と言われています。
自動操縦や遠隔操作も可能で、操縦士を乗せなくても動かすことができ、ドローンに近い乗り物と言われます。
トヨタの投資と技術支援
トヨタ自動車株式会社(以下トヨタ)はジョビーに対し2017年より出資で関係は始まっており、やがて技術的なノウハウを共有するなど、トヨタの空のモビリティに対するビジョンの共感から協業を開始しています。
トヨタのジョビーに対する総投資額は8億9,400万ドル(約1368億円)となっており、資金提供以外にも、トヨタのエンジニアの出向や、2023年には、電動化関連部品の供給も開始してきました。
2024年11月にはトヨタ自動車東富士研究所で、初めて日本で試験飛行を実現したと発表しています。
トヨタ自動車は、自動車生産及び技術開発の知見を活かしたジョビーとの7年にわたる取り組みを経て、トヨタにおけるエアロ開発発祥の地でもある東富士研究所から、eVTOLは日本で初めての試験フライトを成功させます。
Our first international flight in front of Mount Fuji marked Joby's deepening relationship with @ToyotaMotorCorp as we work ever closer on scaling up production of our electric air taxi.
— Joby Aviation (@jobyaviation) November 7, 2024
We're grateful to the entire Toyota team for welcoming us in Shizuoka and helping make our… pic.twitter.com/TJY6IjiGMm
会見で、ジョビーCEO ビバート氏は、「私たちは、トヨタが抱えるモビリティの未来に対するビジョンを共有しており、日本でのフライトを通じてその未来を垣間見ることができる機会を得られたことを光栄に思います。」と述べました。
日本の空飛ぶタクシーはいつから?
日本では2025年に開催される「2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)」のコンテンツの1つに「空飛ぶクルマ」の運航を挙げており、運航事業者としての4事業者のなかにジョビーが含まれています。
大阪府は万博での商用運航の実現を目指し、ルールや制度の設計や実証を進めており、大々的にお披露目される可能性があるのは大阪万博と予想されています。大阪万博「空飛ぶクルマ」
また、日本のANAと野村不動産も、ジョビーと協業契約を結んでおり、大阪万博を足掛かりに、日本国内での商用化を目標に、国内の運航と離着陸場の検討・開発に関わっていくと発表されています。
ドバイのエアタクシーに採用
ドバイ首長国はエアタクシーの運航に積極的で、2024年の2月に、ドバイの道路交通局(RTA)とジョビーが最終契約を結んでいます。
これまでは2026年までにエアタクシーを開始させる予定だと述べていましたが、順調に進めば2025年後半にエアタクシーサービスを開始する可能性があると現在は発表しています。
ドバイのエアタクシー離着陸場(バーティポート)
ドバイでは、バーティポートと呼ばれるエアタクシーの離着陸場について既に発表されており、最初の4カ所は、ドバイ国際空港、ドバイ・ダウンタウン、ドバイ・マリーナ、パーム・ジュメイラに設置されることが確認されています。
※エリアを表すもので正確な位置を示すものではありません。
2024年11月12日、ドバイエアタクシーネットワークの最初のバーティポート、ドバイ国際空港(DXB)のバーティポート建設が開始されたと発表。
ドバイ国際空港(DXB)に位置するバーティポートは、Jobyのパートナーであるドバイ道路交通局(RTA)とSkyportsによって建設されています。
Construction has begun on the first vertiport in our planned Dubai air taxi network!
— Joby Aviation (@jobyaviation) November 12, 2024
Situated at Dubai International Airport (DXB), the vertiport is designed for exceptional passenger experience and high throughput to deliver convenient and seamless travel between key… pic.twitter.com/ESA6u2ZP1B
この施設には、2つの離着陸スタンドが含まれる予定で、それぞれにJobyが設計したGlobal Electric Aviation Charging System(GEACS)が装備されており、フライト間の急速な車両充電とコンディショニングをサポートします。
バーティポートは、ドバイにある輸送ネットワークと統合するように設計されており、ドバイメトロのエミレーツ駅2、DXB空港、駐車場インフラ、その他の地上交通オプションとのシームレスな接続が可能になるとのことです。
ドバイの空飛ぶタクシー料金は?
Joby の目標は、1 回あたりの料金を Uber Black と同程度にすると述べており。
以前に紹介されたドバイのメディア記事には「費用は一人あたり350Dh(約1万5千円)になる見込み」とも述べていました。開始時には少し高くなるかもしれませんが、通常の地上タクシーと競争できるように、料金は徐々に下がっていくだろうとドバイのメディアでは予想されています。
ドバイの空飛ぶタクシーでの飛行時間は?
バーティポートでは、エアタクシーの乗り降りはほんの数分で済み、空港のような厳格なセキュリティチェックは行われないと予想されています。
飛行機はパイロット1名と乗客4名を乗せ、最高時速320km/hで飛行することができ、ドバイ国際空港からパーム・ジュメイラまで車で約45分から1時間かかっていた道のりを、約10分に短縮することができます。