
ドバイの道路交通局(RTA:Roads and Transport Authority)は、2026年の World Governments Summit(世界政府サミット) で、未来の都市交通システムとして 「グライドウェイズ(Glydways)」 を正式に発表しました。これは従来の公共交通と一線を画す新しい自動運転モビリティで、今後の都市移動のあり方を大きく変える可能性があります。
📌 Glydways(グライドウェイズ)とは
「グライドウェイズ」は、自動運転の電気ポッド(Pod)型車両による自動輸送ネットワーク(ATN:Automated Transit Network) です。ドバイ都市内で RTA と米国発テクノロジー企業「Glydways」 が協力して開発を進めています。
🔹 主要な特徴
- 完全自動運転の電気ポッド車両
- 1台あたり 4〜6人 の乗客を収容可能
- 最高速度:約50 km/h
- 航続距離:約250 km(1回の充電で)
- 専用のガイドウェイ(案内路)を走行
- 通常道路交通と完全に分離された専用軌道上を走行
- 軌道は自転車レーン程度の幅で、地上・高架の両方に設置可能
- 既存道路やライフラインへの影響を最小化
- 人工知能(AI)による制御
- 車両は LiDAR・レーダー・カメラ等のセンサーで周囲を認識し、AIが走行経路をリアルタイムで制御
- 10台以上の車両を 「仮想プラトーニング」(列車のように連携)させることもできる
🚉 どこで走るのか?──初期ルート計画
RTA と Glydways の協力協定発表では、複数の初期ルート案が示されています。これらは、都市内の主要メトロ駅や観光/商業スポットを結ぶ計画です。

📍 初期ルートの例
- Bluewaters Island エリア
- National Paints Metro Station ↔ Bluewaters Island(約2.8 km)
- パイロットルートとして試験的に導入予定
- Umm Suqeim エリア
- Mall of the Emirates Metro Station ↔ Madinat Jumeirah(約1.9 km)
- Al Quoz エリア
- OnPassive Metro Station ↔ Alserkal Avenue / Times Square Centre(約2.6 km)
- Dubai Festival City
- Festival City 内のルート(約7 km)、将来的には メトロ Blue Line との接続も想定
これらは最初の運用段階の計画で、将来的にはドバイメトロとの強い連携を視野に入れたネットワーク拡張が見込まれています。
🤖 どうやって動くの?
グライドウェイズは、従来のバスや地下鉄とは異なる設計です。

🔹 完全自律走行
車両は 人間の運転手不要 の自動運転で動作します。
AIによる高度な制御と360°センサーが、他の車両や障害物を検知しながら走行します。
🔹 専用ガイドウェイ
道路交通から独立した軌道を走行することで、渋滞の影響を受けません。
ガイドウェイは一般道路に沿ったり、高架化 されたりすることも可能です。
🔹 オンデマンドで乗車
乗客はスマホアプリや専用キオスクで呼び出しが可能で、目的地まで直行する「ポイント・トゥ・ポイント」スタイルで利用できます。
🔹 24時間利用可能
都市交通として 24時間運用 を想定しており、深夜の移動にも対応する計画です。
🌍 Glydwaysが解決する都市交通の課題

🚦 渋滞回避と交通効率
専用ガイドウェイとAI制御により、従来の道路交通のような渋滞を回避し、短距離移動の速度と利便性を向上させます。
🏙️ 既存交通との統合
メトロ駅と人気スポットを結ぶことにより、「最初の一歩/最後の一歩(ファーストマイル/ラストマイル)」輸送の課題を解消し、既存の大容量交通と組み合わせる設計です。
🍃 環境負荷の低減
すべて電動車両であるため、地域内の排出ガスがゼロ(Zero Emission) とされ、都市の環境戦略にも合致します。
⏱️ 導入時期と展望
- 試験運用(パイロットルート)の開始:2026年内に予定されているとの報道あり(最初のルートは数か月以内に試験段階へ)
- フル導入:今後2年以内に複数ルートを展開する計画が示されていますが、正式なスケジュールは段階的に発表予定です。
🇯🇵 日本での取り組み:スズキが出資・協業へ
🔹 スズキ株式会社がGlydwaysへ出資
2024年5月、スズキ株式会社(Suzuki Motor Corporation)が米国の Glydways, Inc. に出資したことが公式に発表されています。スズキは、Glydways の交通システムの実現を支援するため、車両開発・生産に関する協業を検討しています。
Glydways は、軽自動車並みの小型電動車両を専用レーンで隊列自動運転させるオンデマンド型の高速輸送システム(Personal Rapid Transit)を開発する米国のスタートアップ企業です。
スズキ社長は、Glydways の「都市交通の課題を解決するソリューション」に共感し、スズキが培ってきた小型車両設計・製造の技術を活用して開発を加速したいとのコメントを出しています。
🔹 三井化学・ENEOS と日本企業3社で戦略的投資
Glydways は、日本企業による戦略的な出資を受けており、スズキに加えて ENEOS ホールディングス、三井化学も株式投資を行っています。これは Glydways の技術・ビジョンに対する世界的な評価が高いことの表れです。
これら出資企業は、車両やエネルギー、材料技術の知見を提供し、多方面から Glydways の実装を支援することを期待されています。
🍃 ジャパンモビリティショー 2025 で日本国内初展示
日本では 「ジャパンモビリティショー2025」 において、スズキと Glydways の連携が紹介され、最新の「Glydcar」(グライドカー)車両が国内で初めて展示されました。
展示では、将来の都市移動を想定した Glydcar の実車や想定される走行シーンのパネルなどが紹介され、未来交通システムの可能性が具体的に伝えられました。
また、SNS ではスズキブースでの Glydways 関連の様子が投稿されています。
🇯🇵 Glydways日本法人の設立
Glydways の公式日本サイトによると、日本支社(グライドウェイズ ジャパン合同会社)が設立されており、東京都港区六本木にオフィスが置かれています。
日本チームの運営体制としては、アジア太平洋地域のプレジデントやスタッフが名を連ねており、国内での市場開拓・パートナー連携・事業推進を進めていることがわかります。
📊 まとめ:グライドウェイズはどんな交通?
- 自動運転×電動×専用ガイドウェイ で動く新しい都市輸送システム
- 小型ポッド型車両 がオンデマンドで利用可能
- 市内の主要スポットやメトロ駅を結ぶ 最初のルート計画 が進行中
- 交通渋滞の解消と環境負荷の軽減を目指す持続可能な公共交通ソリューション
- ジャパンモビリティショーで Glydcar が国内初展示され、日本でも関心が高まっている。
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