
アラブ首長国連邦(UAE)では、国家規模のインフラプロジェクトとして整備が進められてきた エティハド鉄道(Etihad Rail) が、今年後半に旅客列車の運行開始を予定しています。
現在までに、旅客列車が停車する 11の駅 について、公式発表や主要メディアを通じて情報が公開されています。
段階的に駅は開設され、第一フェーズでは、アブダビ、ドバイ、フジャイラを結び開設を予定されています。
本記事では、そうした発表内容をもとに、フジャイラ首長国のAl Hilal駅を起点として、西へ向かう順番で、各駅の正式名称や所在地、周辺の主な観光名所をご紹介していきます。
1. Al Hilal(アル・ヒラル)駅

UAE東海岸のフジャイラ首長国に位置する駅で、エティハド鉄道旅客網の東端を担います。フジャイラ市および近郊のQidfa地区への鉄道路線を提供し、東海岸地域のアクセス向上に寄与します。駅周辺には16世紀築造のフジャイラ砦(フジャイラ・フォート)など歴史的名所があり、同城はフジャイラ首長国を代表する主要観光スポットの一つとなっています

- 所在地:アラブ首長国連邦・フジャイラ首長国、フジャイラ市近郊(Al Hilal地区)
- 周辺の見どころ:
- フジャイラ砦(Fujairah Fort) — UAE内でも歴史ある城砦
- フジャイラ博物館(Fujairah Museum) — 古代からの考古資料展示
- コーニッシュ沿岸 — 海岸線の散策・海の眺望が楽しめる
2. Al Dhaid(アル・ダイド)駅
シャルジャ首長国中央部のオアシス都市アル・ダイドに設置される駅です。アル・ダイドはハジャル山脈麓の砂漠平野に位置し、古くから農業と伝統的集落で知られる地域で、同駅は首長国内陸部と他地域との鉄道接続を強化します。周辺の主要スポットには、世界最大級のサファリパーク「シャルジャ・サファリ」があり、アル・ダイドのアル・ブリディ保護区内に8㎢の広大な敷地でアフリカの動物を放し飼い展示するユニークな観光名所となっています

- 所在地:シャールジャ首長国・アル・ダイド町(内陸オアシス都市)
- 周辺の見どころ:
- Hajar山脈の景観
- 農業オアシス地域の散策
- 文化的市場・地元民生活体験
3. University City(ユニバーシティ・シティ)駅

シャルジャ首長国の大学都市(ユニバーシティ・シティ)地区に設けられる駅で、複数の高等教育機関が集積するエリアに位置します。駅はシャルジャ国際空港から約10分の距離にあり、学生や教職員だけでなく空港利用者にとっても便利な交通拠点となります。大学都市周辺には文化施設も点在しており、たとえば同エリア内のスルターン・ビン・モハメド・アル=カシミ・センターでは何世紀も前の地図や写本が収蔵されており、観光客も訪れることができます。
- 所在地:シャールジャ首長国・シャールジャ市近郊、University City地区(大学キャンパス集積地)
- 周辺の見どころ:
- University City内の文化施設・広場
- シャールジャ国際空港へのアクセス — 観光・留学拠点として利便性高い
4. Jumeirah Golf Estates(ジュメイラ ゴルフ エステーツ)駅

ドバイ首長国南部の高級住宅地ジュメイラ・ゴルフ・エステーツに建設される駅で、エティハド鉄道のドバイにおける唯一の旅客駅です。駅はシェイク・モハメド・ビン・ザイード道路沿いに位置し、自家用車でのアクセスが良好であるとともに、ドバイメトロ(レッドライン)のジュメイラ・ゴルフ・エステーツ駅にも近接し市内公共交通への乗り換えが容易です。周辺には2020年国際博覧会の跡地を活用したエキスポ・シティ・ドバイがあり、最新の展示館や施設が集まる新たな観光スポットへ鉄道でアクセスしやすくなります。

- 所在地:ドバイ首長国・ジュメイラ・ゴルフ・エステーツ(高級住宅・ゴルフリゾート)
- 周辺の見どころ:
- Jumeirah Golf Estate(ゴルフコース)
- ドバイ中心街・Dubai Expo Cityへのアクセス
- ドバイのショッピング・観光スポット多数
5. Mohammed Bin Zayed City(モハメド・ビン・ザーイド・シティ)駅

アブダビ首長国のモハメド・ビン・ザイード・シティに設置される駅で、首都アブダビ市中心部への主要な玄関口となるターミナルです。近隣にはムサッファやバニー・ヤースといった大規模住宅・工業地区が広がり、郊外の人口集積地から首都中心部へのアクセス向上に寄与します。アブダビ市内の代表的観光名所であるシェイク・ザイード・グランドモスクへも本駅からアクセスしやすく、同モスクは2025年に年間約700万人もの訪問者を迎えるなど世界的に有名な観光スポットです。

- 所在地:アブダビ首長国・モハメド・ビン・ザーイド地区(アブダビ市郊外)
- 周辺の見どころ:
- アブダビ市街地 — シェイク・ザーイド・グランドモスク等
- モール(Dalma Mallなど)
- 公共交通やバス接続あり
アブダビ旅客駅で開催された取締役会
新しい駅の様子や、車両内部の様子を見ることができます。
ذياب بن محمد بن زايد يترأس اجتماع مجلس إدارة شركة "قطارات الاتحاد"، وسموّه يؤكِّد حرص القيادة الرشيدة على تعزيز الربط بين المناطق السكنية والصناعية والتجارية، من خلال منظومة نقل تواكب المستقبل، وتسهم في تعزيز مسيرة التنمية المستدامة في دولة الإمارات. pic.twitter.com/vb8By11Qln
— مكتب أبوظبي الإعلامي (@ADMediaOffice) January 30, 2026
6. Al Faya(アル・ファヤ)駅
同駅はドバイ方面への道路(E75号線)とも接続する戦略的な地点にあり、主要都市間を結ぶ路線の中継拠点として機能します。周囲は砂漠に囲まれており、車窓から広がる雄大な砂丘の景観も楽しめるでしょう。

- 所在地:アブダビ首長国・アル・ファヤ地区(都市間幹線上)
- 周辺の見どころ:
- 内陸砂漠エリアのドライブ・風景
- エティハド鉄道の車両基地
- アル・ファヤ・ドライポート周辺
7. Madinat Zayed(マディナット・ザイード)駅
アブダビ首長国アル・ダフラ地域の中心都市マディナット・ザイードに設けられる駅です。マディナット・ザイードはアブダビ市の南西約180kmに位置する行政・産業拠点で、周辺の油田開発や産業を支える重要な役割を担っています。毎年冬季にはマディナット・ザイード郊外で「アル・ダフラ・フェスティバル」(ラクダの美人コンテストを中心とした伝統行事)が開催され、国内外から多数の来訪者が集まるなど、地域の文化遺産を生かした観光イベントも盛んです。

- 所在地:アブダビ首長国・マディナット・ザイード(Al Dhafra地域中心都市)
- 周辺の見どころ:
- 砂漠地域の文化・景観体験
- 周辺石油・産業エリア見学(一般向け見学施設も一部あり)
8. Mezairaa(メザイラ)駅
アブダビ首長国南西部のリワ・オアシスに位置するメザイラー(メズイラア)に建設される駅です。メザイラーは「リワの入口」とも言える歴史ある村で、世界最大級の砂漠ルブアルハリ(空白の大砂漠)の縁に位置しています。周辺には伝統的な泥レンガ造りのメズイラア砦など文化遺産が残り、ヤシの木々が茂るオアシスの風景と相まって、砂漠と文化が調和した観光スポットともなっています。

- 所在地:アブダビ首長国・メザイラー(Liwaオアシス付近)
- 周辺の見どころ:
- Liwaオアシスと砂丘(デザート・ドライブ)
- Mezair’ah Fort(歴史的砦)
- 伝統文化体験
9. Al Mirfa(アル・ミルファ)駅
アブダビ首長国西部、ペルシャ湾岸のアル・ミルファに位置する駅です。アル・ミルファはアル・ダフラ地域の海岸沿いにある主要集落で、本路線の開通により国内他地域との往来が大幅に便利になります。町の目玉は美しい砂浜が広がるアル・ミルファ・ビーチで、毎年当地で開催されるアル・ダフラ・ウォータースポーツ・フェスティバルでは世界中のトップ水上競技選手が集い、観光客も未開の海岸地域の魅力を満喫できます。

- 所在地:アブダビ首長国・アル・ミルファ(西海岸沿い)
- 周辺の見どころ:
- アラビア海沿いの穏やかな海岸線
- シーフード・地元漁村文化
10. Al Dhannah(アル・ダンナ)駅
アブダビ首長国のアル・ダフラ西部に位置し、旧称ルワイスとして知られるアル・ダンナに設置される駅です。アル・ダンナ(ルワイス)は首長国内でも有数の工業都市で、ADNOCの石油・ガス関連施設をはじめ大規模プロジェクトが集中する産業拠点です。一方で沿岸部のジュベール・ダンナ港(ルワイス港)からは自然保護区として有名なシル・バニ・ヤス島へのフェリーも運航しており、同島ではアラビアオリックスやキリンなど野生動物が生息する一大エコツーリズム地となっています。

- 所在地:アブダビ首長国・アル・ダンナ(アブダビ西部)
- 周辺の見どころ:
- 工業都市・沿岸地域の探索
- 砂漠と海岸の多様な風景
11. Al Sila(アル・シラ)駅
アブダビ首長国の最西端、サウジアラビア国境に近いアル・シラに位置する駅で、エティハド鉄道旅客網の西の終点となります。アル・シラは国境の町グウェイファット(グフワイファト)を擁し、将来的にGCC鉄道計画が実現すれば域内連絡の拠点として重要な役割を果たすと期待されています。観光面では、広大な砂漠と伝統文化が色濃く残る土地柄であり、夜空の下でキャンプを楽しんだり、名物であるラクダレースを観戦したりといった体験型の観光が可能です。駅はこのような西部地域への玄関口ともなり、辺境の地ならではのヘリテージツーリズムを支えるでしょう。

- 所在地:アブダビ首長国・アル・シラ(UAE西部・サウジアラビア国境近く)
- 周辺の見どころ:
- 国境近くの広大な砂漠地帯
- Ghuweifat地域へアクセス
エティハド鉄道の旅客駅は、都市間を結ぶ交通拠点であると同時に、沿岸都市や内陸の町、砂漠地帯など、UAEのさまざまな地域をつなぐ存在になりそうです。
今回ご紹介した11の駅は、現時点で公式情報や信頼できる報道をもとに確認されているもので、今後さらに詳細な情報が発表される可能性もあります。
旅客列車の運行が始まれば、移動の選択肢が増えるだけでなく、国内観光や地域間の行き来もしやすくなると期待されています。
エティハド鉄道によって、UAEを鉄道で巡るという新しい旅のスタイルが、少しずつ現実のものになっていきそうです。
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