
2025年11月21日、ドバイで開催された世界最大級の航空イベント「ドバイ航空ショー」の最終日。華やかな空中アクロバットが繰り広げられる中、インド空軍の国産戦闘機「テジャス(Tejas)」が突然墜落し、パイロットの命が失われる事故が発生しました。このニュースはインド国内を震撼させ、国際社会からも哀悼の声が寄せられています。
事故の瞬間:低空飛行中の突然の墜落




写真 X:@ArmedUpdat1947
事故は現地時間午後2時10分頃、ドバイ・ワールド・セントラルのアル・マクトゥーム国際空港内で起きました。インド空軍のテストパイロット、ウィングコマンダー(大佐相当)ナマーン・シャール(Wing Commander Namansh Syal)氏(34歳)が操縦するテジャスが、低高度のアクロバット飛行を披露中でした。目撃者によると、機体は急に高度を下げ、地面に激突。瞬時に火の玉に包まれ、黒煙が空を覆いました。シャール氏は脱出を試みましたが、失敗し命が失われてしまいました。
現場ではヘリコプターと消防隊が即座に駆けつけ、火災を鎮圧。観客は避難を余儀なくされ、屋外展示エリアは一時封鎖されました。ショーの後続プログラムは約2時間中断されましたが、結局再開。 この判断に対し、米空軍F-16デモチームのリーダー、テイラー・ヒースター大尉は「ショックを受け、不快だった」と非難し、パフォーマンスをキャンセルしました。
A Tejas single-engine lightweight fighter jet built by India’s state-run HAL crashed today at the Dubai Airshow. I remember how hard the Indiana tried to sell us that garbage over the past few years, but thankfully the EAF never took the bait. pic.twitter.com/zRp7VZpz8M
— Egypt's Intel Observer (@EGYOSINT) November 21, 2025
テジャスとは? インドの誇る「国産の光」
テジャスは、インドの航空宇宙大手ヒンドゥスタン航空機有限公司(HAL)が開発した軽量多目的戦闘機です。サンスクリット語で「輝き」を意味し、インドの自立した防衛産業の象徴として知られています。プロジェクトは1984年に本格始動し、開発に30年近くを要しました。2011年に正式飛行適格が宣言され、2016年にインド空軍(IAF)へ初導入。最新型「Mk-1A」は、ステルス性能や電子機器を強化したモデルです。
インド政府はテジャスの信頼性を高く評価し、2021年に83機の調達契約(約4兆8000億円)を結び、2023年にはさらに97機の追加承認を与えました。 しかし、今回の事故はテジャスの2度目の墜落。1度目は2024年3月、ラジャスタン州ジャイサルメルでの訓練中でしたが、パイロットは無事脱出していました。 原因は現在調査中ですが、気象条件(高温多湿の砂漠地帯)や機体の低高度操作が影響した可能性が指摘されています。
国際社会の反応:哀悼と輸出への影
事故直後、UAE政府はインドに公式哀悼の意を表明。「勇敢なパイロットの喪失に心からお悔やみ申し上げます」との声明を出しました。インド大使館のチームも現地で支援活動を展開しています。
HALはX(旧Twitter)で「勇気あるIAFパイロットの喪失に深い悲しみを覚えます。ご家族に心からの慰めを」と投稿。シャール氏の故郷ヒマーチャル・プラデーシュ州カンラ地区では、村人たちが追悼の灯りを灯しました。
また、ロシアのアクロバットチーム「ロシアン・ナイツ」は、ショーで特別トリビュート飛行を行い、シャール氏に敬意を表しました。
一方で、事故はインドの防衛輸出に打撃を与えています。テジャスはアフリカや中南米諸国への輸出を狙っていましたが、ブラジルとの32機調達交渉が再考される可能性が浮上。HAL株価も2.58%下落しました。
専門家は「信頼性の証明が急務」と指摘しますが、インド政府は「単発事故であり、テジャスの安全性は証明済み」と強調しています。
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