
ドバイのアル・バルシャ地区で、9月23日午後、14階建ての住宅ビルで火災が発生。この火災は、午後2時頃に始まったとみられ、ドバイ民間防衛局が迅速に鎮圧した。負傷者や死者は出ていないが、住民の避難が急務となりました。
今回の対応で注目されたのは、民間防衛局が投入した先進的な消防ドローン「シャヒーン」の活躍。このドローンは、高層ビルの火災対策として8カ月前に導入されたもので、火災の拡大を防ぐ上で重要な役割を果たしました。
火災の発生と緊急対応
火災は、エミレーツ・モールに隣接するサリハ・ビン・ラヘイジ・ビルで発生。目撃者によると、4階付近から煙が上がっていました。民間防衛局は通報からわずか6分で消防隊を現場に派遣し、住民の安全を第一にビル全体の避難を完了させました。火災の原因は現在調査中ですが、煙の発生源が4階であることは確認されています。
▼火災が発生したサリハ・ビン・ラヘイジ・ビル。対面にはモール・オブ・ジ・エミレーツ。
夕方5時頃までに火災は完全に鎮圧され、冷却作業が続けられました。ビルは一時的に封鎖されましたが、住民の安全が確保されたため、大きな混乱は避けられました。このような迅速な対応は、ドバイの防災システムの信頼性を示しています。
「シャヒーン」ドローンの先進技術
今回の火災では、民間防衛局が「シャヒーン」ドローンを活用しました。このドローンは高さ200メートルまでの高層ビル火災に特化して設計されており、1,200リットルの水や消火泡を搭載可能です。地上の消防隊が到達しにくい上層部に上空から消火剤を噴射することで、火勢の拡大を効果的に抑え、消防士のリスクを低減しました。ドローンは8カ月前に運用を開始して以来、今回が実戦投入の好例となりました。将来的には、ドバイの高層ビル密集地帯での火災対策の標準となる可能性があります。
住民の証言:混乱の中での避難
現場にいた住民からは、緊迫した避難の様子が伝えられています。10階に住むサハルさんは、地元メディアのハリージ・タイムズに対し、「午後2時15分頃、ベビーシッターから連絡があり、ビルの反対側にいました。最初は悪天候の煙かと思いましたが、火災だと気づいてからは隣人の助けを借りてベビーシッターと赤ん坊を連れて避難。持って出られたのは財布だけでした」と振り返りました。彼女はビルの向かいのB1モール内のレストラン前で待機していました。
また、アル・バルシャ1地区在住のフィリピン人エキスパットのミラさんは、「ランチ中に消防車のサイレンを聞き、外に出てみると上層階が炎上していました」と証言。こうした目撃談から、火災の進行が急激だったことがうかがえます。
頻発する火災の背景
アル・バルシャ地区は、ショッピングモールや住宅が密集する人気エリアですが、近年火災が相次いでいます。昨年12月30日には、今回のビルに隣接する住宅ブロックで火災が発生し、避難劇がありました。また、今年5月13日には近隣の13階建てアル・ザルーニ・ビルでガス漏れによる火災が発生し、数カ所の店舗が長期閉鎖を余儀なくされました。これらの事例から、地区全体の防火対策強化が求められています。
ドバイ民間防衛局は、今回の火災を機に住民向けの火災予防教育をさらに推進する方針です。高層ビル社会のドバイでは、こうした先進技術と迅速な対応が住民の命を守る鍵となります。
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