
ドバイと聞くと、きらびやかな高層ビルや豪華なショッピングモール、セレブ向けのリゾートを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、その華やかなイメージの裏側には、低賃金で働く移民労働者たちの厳しい生活があります。この記事では、ドバイの豪華な魅力と、最近の違法アパート取り締まりで住む場所を失う労働者たちの現実を、お伝えします。
ドバイの輝く繁栄
ドバイは、近代的な建築と贅沢な暮らしで世界中から注目を集めています。超高層ビルが立ち並ぶスカイラインや、豪華なショッピング施設、人工島のリゾート地は、国際的なビジネスや観光の中心地としての地位を確立しています。こうした繁栄は、ドバイを訪れる人々に夢のような体験を提供し、グローバルな都市としての魅力を高めています。
移民労働者の過酷な現実
しかし、ドバイの輝きの裏には、厳しい生活を強いられる移民労働者の姿があります。人口390万人のうち約9割が外国からの出稼ぎ労働者で、建設、清掃、警備などの仕事に従事しています。彼らの多くは、アフリカやアジア出身で、月300~550ドル(約4万~7万円)の低賃金で働いています。こうした労働者の住環境は、ドバイの華やかなイメージとは大きく異なります。
例えば、エジプト出身のヘシャムさん(44歳)は、2ベッドルームのアパートを9人でシェアし、クローゼットほどの狭いスペースに住んでいます。家賃は月270ドル(約3万6000円)で、収入の半分以上を占めます。他にも、合板やカーテンで仕切られた「違法アパート」に10~20人が詰め込まれたり、バンクベッドの部屋を数ドルで借りる人もいます。
違法アパートの取り締まりとその影響
2025年現在、ドバイ当局は火災の危険性を理由に、違法アパートの取り締まりを強化しています。2023年のデイラ地区の火災(16人死亡)や、2025年6月のドバイ・マリーナの高層ビル火災(532世帯、平均7人居住)をきっかけに、安全基準を満たさない住宅の閉鎖を進めています。
しかし、この取り締まりにより、多くの労働者が住む場所を失っています。ドバイの平均的な1ベッドルームアパートの家賃は月1400ドル(約19万円)と高額で、低賃金の労働者には手が届きません。路上生活は違法なため、退去を命じられた人々は新たな住まいを見つけるのに苦労しています。ガーナ出身のエボニーさん(28歳)は、14~20人で1部屋をシェアする生活を続け、「次に追い出されたらどうすればいいかわからない」と不安を口にします。
ドバイの光と影が映す格差
ドバイの経済は成長を続け、2040年には人口が580万人に達すると予測されています。しかし、不動産市場は富裕層向けの高級住宅に重点を置き、労働者向けの安価な住宅は不足しています。違法アパートの取り締まりは安全確保のために必要ですが、代替の住居が提供されない現状では、労働者の生活をさらに追い詰めています。
ドバイは、近代的な繁栄と豪華なライフスタイルで世界を魅了する都市です。しかし、その発展を支える移民労働者たちは、過酷な住環境で暮らしています。違法アパートの取り締まりは安全性を高める一方で、彼らの生活を不安定にしています。ドバイの輝く表面だけでなく、こうした「影」の部分にも目を向けることで、都市の多面性が見えてきます。
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