アラブ首長国連邦（UAE）は、最近のオンラインでの噂を受け、ゴールデンビザの取得ルールを明確にしました。ソーシャルメディアで「暗号資産（仮想通貨）のToncoinに投資すれば10年間のゴールデンビザが取得できる」との情報が広まりましたが、UAE当局はこれを公式に否定。投資家や日本人にわかりやすく、正確な情報を基にした記事をお届けします。

ゴールデンビザとは？

UAEのゴールデンビザは、外国人が長期滞在できる特別なビザです。このビザを持つ人は、UAEで生活したり、働いたり、勉強したりする際に、UAE国民のスポンサー（保証人）が不要です。通常のビザよりも自由度が高く、近年、取得の門戸が広がっています。しかし、誰でも取得できるわけではなく、明確な基準が定められています。

誤情報の背景

2025年7月6日、ソーシャルメディア上で「Toncoinに10万ドル以上投資し、3年間保有すれば、10年間のゴールデンビザが取得できる」という噂が広がりました。この情報は、暗号資産関連の企業「TON」が発信したもので、手数料3万5,000ドルで家族のビザも取得可能とされていました。しかし、UAEの3つの機関がこの情報を否定する共同声明を発表しました：

• 連邦アイデンティティ・市民権・税関・港湾セキュリティ庁（ICP）：ビザ発行を管理。
• 証券商品庁（SCA）：金融市場や暗号資産を規制。
• 仮想資産規制庁（VARA）：ドバイの暗号資産を監督。

これらの機関は、ゴールデンビザの基準に暗号資産投資家は含まれていないと強調しました。

ゴールデンビザの取得基準

ゴールデンビザは、UAEの経済や社会に貢献する以下のような人々が対象です：

• 不動産投資家：UAEで不動産を購入した人。
• 起業家：UAEでビジネスを展開する人。
• 優秀な才能：科学者、専門家、トップ学生、卒業生など。
• 人道活動家：人道的な貢献をした人。
• 最前線で働く人：医療従事者や教育者など。
• ドバイ特例：資格を持つ看護師、教師、コンテンツクリエイターも支援対象。

一方、暗号資産投資はビザ取得の基準とは無関係で、別の規制が適用されます。

誤情報の危険性と当局の警告

UAE当局は、今回の噂が詐欺や誤解を招く可能性があるとして、以下の注意を呼びかけています：

• 公式情報のみを信頼：政府の公式ウェブサイトや認定されたチャネルで情報を確認してください。
• 未認可の企業に注意：TONはVARAの認可を受けていないため、信頼性が低いです。
• 怪しい広告を避ける：オンラインの未確認のオファーには関わらないようにしましょう。

特に、暗号資産はリスクが高い投資です。日本人投資家も、UAEの公式ルールを理解し、詐欺に巻き込まれないよう注意が必要です。

なぜこの情報が重要？

UAEは、ビジネスや観光で人気の国であり、日本人にとっても魅力的な移住先や投資先です。ゴールデンビザは、UAEで長期的に活躍したい人にとって大きなチャンスですが、誤った情報に基づいて行動すると、時間やお金を無駄にするリスクがあります。今回の当局の声明は、投資家を守るための重要なメッセージです。

UAEのゴールデンビザは、不動産投資家や起業家、科学者など特定のグループに発行されるもので、暗号資産投資家は対象外です。Toncoinに関する噂は事実無根で、UAE当局は公式情報のみを信じるよう呼びかけています。日本人としてUAEでの投資や移住を考える場合、信頼できる情報源をチェックし、慎重な判断が大切です。