SNS、特にTikTokで大ブームを巻き起こしている「ドバイチョコレート」。中東ドバイ発のこのスイーツが、今世界中で話題となっています。中でもピスタチオとカナファ（中東の細麺状のお菓子）を組み合わせたチョコレートが特に人気です。

ドバイのブティック菓子ブランド「Fix」は、この流行の最前線に立ち、ピスタチオとカナファを使ったチョコレートを毎日完売するほどの人気ぶりです。その影響で他のメーカーも競って独自の商品を展開し、市場はますます盛り上がっています。

しかし、この世界的なドバイチョコレート人気の裏で、思わぬ問題が起きています。原材料として欠かせないピスタチオが不足しているのです。

『Financial Times』の報道によると、すでに昨年アメリカでピスタチオの収穫が不作だったため、世界的に供給不足が発生していました。そこに追い打ちをかけるようにドバイチョコレートの人気が爆発し、世界中のショコラティエがピスタチオを大量に買い占め始めました。そのため、市場のピスタチオ不足が深刻化しています。

また、世界第2位のピスタチオ生産国であるイランは、この需要急増により、2024年10月から2025年3月までの半年間だけで、前年の12ヶ月分よりも40％も多くのピスタチオをUAEに輸出したと報告しています。

このような状況からピスタチオの価格は高騰し、他のナッツ市場にも影響を与えかねないと専門家は指摘しています。

一方、ドバイチョコレート市場では、ピスタチオ以外のナッツやフルーツを用いた新しいフレーバーも登場し始めています。新たなトレンドがどのように展開していくかにも注目が集まっています。