ドバイでの法人設立は多くの国際的なビジネスマンや企業にとって魅力的な選択肢となっています。
日本人がドバイで法人を設立する際の主なメリットは以下の通りです。
ドバイで法人設立するメリット
- 税制のメリット
- 無税:ドバイおよびUAE全体では、多くのビジネス分野において法人税や付加価値税(VAT)が非常に低いか、またはゼロである。
- 二重課税回避:UAEは多くの国々と二重課税回避協定を結んでいるため、ビジネスを拡大する際に税制上のメリットが享受できる。
- 戦略的な位置
- ドバイはヨーロッパ、アフリカ、アジア間の中心的な位置にあり、主要都市へのアクセスが容易である。
- 世界的に有名なドバイ国際空港やアル・マクトゥーム国際空港を利用して、多くの都市への直行便が存在する。
- インフラの整備
- 先進的な交通インフラ、通信インフラ、オフィス施設など、ビジネスを行う上での基盤がしっかりとしている。
- 自由貿易ゾーン(Free Zones)
- ドバイには多くの自由貿易ゾーンが存在し、特定の業界やビジネス活動に特化したメリットやインセンティブを提供している。
- これらのゾーンでは、外国人投資家が100%の所有権を持つことが許されている場合が多い。
- ビジネスの柔軟性
- 多様な業種や活動分野でのビジネス設立が容易であり、さまざまなタイプのライセンスを取得することができる。
- 多文化都市
- ドバイは多国籍な都市であり、多様な文化やビジネス慣習が共存している。これにより、国際的なビジネスの展開が容易になる。
- 安全性
- ドバイは治安が良いとされており、ビジネス環境も安定している。
2023年6月からのUAEの法人税導入について
これまで実質的な法人税ゼロを掲げてきたUAEですが、2023年6月1日以降の会計年度から、年間所得が37万5,000ディルハム(約1,500万円 AED/JPY 40 円の場合)を超えるUAE国内を市場とする企業に対して税率9%の適用が導入されました。フリーゾーンにある企業で、国外向けにビジネスを行う会社や投資はこれまで通り課税の対象にはならず、法人税はかかりません。
ドバイでの法人設立形式
ドバイで法人を設立する場合、その法人設立目的や業務の内容、投資の規模によって主に以下の形式に分かれます。
フリーゾーン会社設立
- 実際にビジネスは行わないが移住したい
- 日本法人の支店・駐在員事務所を設立したい
- オンラインビジネス
- 中東を対象にした卸売業
- 世界を対象にしたIT業務
- 個人事業・小規模ビジネス
オンラインビジネス・デジタルマーケ・ITソフト・貿易・EコマースなどUAE国外との取引が多い会社に向いています。
メインランド会社設立法人税9%対象
(ローカル会社,LLC会社とも呼ばれる)- 販売(リテール業)などUAEの市場を対象にしたビジネス
- レストランを開業したい
- 不動産業
- UAE居住者を対象にしたサービス業
- ドバイモールなどへの出店
実店舗を持ち、UAE居住者に直接サービスを提供するビジネスはメイランドへの法人設立が向いています。
数年前まで日本人の行うビジネスは、税制優遇などのメリットから、フリーゾーンでの設立が主になっていましたが、2020年12月からメインランド法人も外資100%で所有できる法律が施行されたことでメインランドでの設立も活発になりつつります。
ドバイのフリーゾーンとは
ドバイにはフリーゾーン(Free Zones)と呼ばれる、特別な経済地域があります。フリーゾーンに法人を立てると、税制上や運営上の優遇措置を受けれるメリットがあります。
以下ではフリーゾーンの解説と法人設立時に必要な費用や手数料について触れていきます。
フリーゾーンで受けれる主な優遇と特徴
- 100%外国所有:多くのフリーゾーンでは、外国人投資家が企業の100%の所有権を持つことが許可されています。これは、UAEの外部での通常のビジネス環境とは異なる点です。
- 税の優遇措置:フリーゾーン内でのビジネス活動に対して、多くの場合、法人税や輸入税、輸出税が免除または大幅に削減されます。
- 資本・利益の移転:フリーゾーン内の企業は、資本や利益をUAE外に自由に移転することができます。
- ビジネスの柔軟性:多様なビジネス活動のライセンスが取得しやすく、設立手続きも比較的シンプルで迅速です。
- 先進的なインフラ:フリーゾーンは、先進的な交通や通信のインフラ、オフィス施設、倉庫などが整備されています。
- 利用できるオフィスと施設:オフィスや倉庫などの施設は設立するフリーゾーンの施設のみ使用可能。
- バーチャルオフィス:フリーゾーンによってはバーチャルオフィスも可能。
ドバイには現在、約30種前後の様々なフリーゾーンがあり、それぞれが特定の産業やビジネスセクターに特化しています。以下にいくつかの主要なフリーゾーンを挙げます。
- ドバイ・インターナショナル・ファイナンシャル・センター(DIFC):金融サービス関連のビジネスに特化 DIFC公式サイト
- ドバイ・メディア・シティ(DMC):メディア関連の企業向け。 DMC公式サイト
- ドバイ・インターネット・シティ(DIC):IT関連のビジネスに焦点を当てたフリーゾーン。 DIC公式サイト
- ジェベル・アリ・フリー・ゾーン(JAFZA):一般的な製造業や貿易関連のビジネスに特化。 JAFZA公式サイト
- ドバイ・エアロスペース・フリーゾーン(DAFZA):貿易・Eコマース・サービス業・個人メディアなどあらゆるビジネスに対応。 DAFZA公式サイト
ドバイフリーゾーンでの法人設立の基本手順
- ビジネスのタイプと活動の選択:まず、行いたいビジネスの種類や具体的な活動を決定する必要があります。これは、適切なフリーゾーンやライセンスの種類を選択するための基盤となります。
- 適切なフリーゾーンの選択:ドバイには様々なフリーゾーンがあり、それぞれが特定の業種やビジネス活動に特化しています。適切なフリーゾーンを選び、そのフリーゾーンの規定や要件を確認します。
- ビジネス名の予約:希望する企業名をフリーゾーンの当局に予約します。この際、使用できるかどうかの確認を受けます。
- 必要書類の提出:ビジネスライセンスの申請に必要な書類を準備し、フリーゾーンの当局に提出します。この際、通常、以下のような書類が必要とされます:
- 申請者のパスポートコピー
- 申請フォーム
- ビジネスプラン
- 参考人情報など
- ライセンス料の支払い:ビジネスライセンスの料金を支払います。料金は、選択したフリーゾーンやライセンスの種類によって異なります。
- 銀行口座の開設:法人として銀行口座を開設します。フリーゾーンの当局は、通常、推奨する銀行や手続きのサポートを提供しています。
- 事務所スペースの確保:ビジネスの規模やタイプに応じて、オフィスや施設のレンタル契約を結びます。
- 従業員のビザ取得:必要に応じて、経営者や従業員のビザを申請します。
法人設立初期費用
- ライセンス料
- 資本金
- 法人登記料
- オフィス賃貸料
- ビザ取得費用
ドバイのフリーゾーンで会社設立に必要な初期費用は、上記の内容で約90万円〜160万円かかります。
フリーゾーンによって最低資本金は異なり、安く抑えられるフリーゾーンを選択することで初期費用を抑えることができます。
フリーゾーンによって最低資本金は異なり、安く抑えられるフリーゾーンを選択することで初期費用を抑えることができます。
「ドバイ・エアポート・フリーゾーン(DAFZA)」なら会社設立に必要な最低資本金はAED 1からと、他と比べて「資本金」を抑えることができ、さらにバーチャルオフィスも提供していることから「オフィス賃貸料」も節約できます。