
2026年2月28日、イランがUAEに対して大規模ミサイル・ドローン攻撃を開始しました。ドバイ国際空港とアブダビのザイード国際空港が初日の攻撃で直撃され、1人が死亡、11人が負傷しました。以降もイランはUAEに2000発以上のミサイルとドローンを撃ち込みましたが、UAEの防空システムは約93%を迎撃。
カタール、バーレーン、クウェートの空港が閉鎖や大幅中断に追い込まれる中、UAEだけは「なんとか飛行を続けている」状態を維持しています。
なぜ可能なのでしょうか?
攻撃直後から「柔軟対応」で空港を動かし続ける

ドバイ空港の最高責任者ポール・グリフィス氏は、CNNのインタビューでこう説明しました。
「脅威レベルが変わるたびに空域を閉鎖したり開放したりしています。GCAA(UAE民間航空総局)が正式に承認した安全な飛行回廊を使い、飛行機を空中に留めたり、他の空港に待機させたりして、危険があればすぐに迂回できるようにしています。」
実際、3月1日〜12日のわずか12日間で、UAEの空港を通過した乗客は140万人以上、飛行機の離着陸(航空機動)は7839回に及びました。国営航空会社の運航は通常の44.6%レベルですが、完全に止まっていないのが驚異的です。
飛行ルートを工夫してイランを避ける
Flightradar24のリアルタイムマップを見ると、UAE発の飛行機は離陸直後に南方向へ急いで飛び、サウジアラビア上空を西へ向かうルートを取っています。欧州行きは特にこのパターンです。

東側のオマーン上空はミサイルの脅威が少なく、マスカット空港はほぼ通常通り開放されています。ドバイ行き便がミサイル警報で待機する場合は、オマーン上空の「ホールド(旋回待機)」を使います。
専門家はこれを「セキュリティ・コーリドー(安全回廊)」と呼んでいますが、実際は通常の航空路を脅威に合わせて調整したもの。NOTAM(航空通告)で危険区域を即時知らせ、民間と軍の連携で守っています。戦闘機がパトロールしているわけではなく、予測可能なルートと監視で安全を確保しているのです。
UAE各航空会社の運航状況(最新)
- エミレーツ / エア・アラビア:通常の60%以上
- フライドバイ:35%以上
- エティハド:約30%
(週末時点。空域一時閉鎖で最近は少し低下)
一方、カタール航空はドーハ拠点で約10%に激減。バーレーン航空は自国空域閉鎖でほとんど飛べず、サウジから一部運航。クウェート空域は閉鎖中ですが、オマーン経由は継続しています。
なぜ欧州航空会社は減便し、UAEは頑張れるのか?
欧州の航空会社は自国政府から「湾岸地域への渡航自粛」勧告が出ていて、数週間〜数ヶ月便をキャンセル。機材と乗務員を他の路線に振り向けられますが、UAEの航空会社は自国ハブに依存しているため、飛ばざるを得ません。
グリフィス氏は「外国政府が保険を保証してくれれば、もっと便を増やせる」とも指摘。保険料の高騰が外国航空会社の足を引っ張っているのです。
安全第一、でも経済も大事
専門家は口を揃えます。「安全・セキュリティが最優先。でも、飛行機を地面に止め、乗務員を家に帰し、整備費や給与を払い続け、チケットを全額返金…となれば会社は大赤字です」。
ドバイ空港は「バンクド・ハブ」(同時着陸→同時出発の接続特化型)なので、乗客の接続を維持するために、時間帯を絞りつつもパターンを崩さないよう工夫しています。
今後の見通し
専門家によると、激しい攻撃は数週間で落ち着く可能性もありますが、混乱は1〜3ヶ月続くかも。UAEの防衛・運輸チームの連携が鍵です。
イランの攻撃は続いていますが、UAEは「世界一のハブ空港」を守りながら、乗客を少しずつでも運び続けています。まさに「奇跡の運航」と言えるでしょう。
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